ステアルトリモニウムクロリドは、リンスや柔軟剤などに含まれる成分で、毛髪の柔軟性を増す助けをしたり、しなやかにする働きがあります。
また、静電気を防止する働きもあります。
ステアルトリモニウムクロリドの成分の効果は
毛髪にとてもよく吸着するという特徴もあるので、リンスにはかなり一般的な成分です。
リンスとして用いるときのステアルトリモニウムクロリドの働きをまとめると以下の3つのメリットがあります。
- 質感を整える
- 静電気が発生するのをおさえ、髪の絡まりを防ぐ
- 髪の修復作用はない
一方で、ステアルトリモニウムクロリドはタンパク変成作用、殺菌作用などもあるので、頭皮になるべくつかないような使用方法を心がけるとよいです。
使用するときは髪の表面にとどめ、あまり頭皮にこすりつけないようにしたいところ。
ステアルトリモニウムクロリドの成分には毒性はあるのか?
ステアルトリモニウムクロリドには3つの名まえがあります。
- ステアルトリモニウムクロリド:化粧品成分
- ステアルトリモニウムクロリド:医薬部外品
- 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム
化粧品と医薬部外品に使われるときの名前が変わります。
帯電防止で髪がサラサラ効果
化粧品に配合するときは、帯電防止効果や洗浄効果、さらに弱い殺菌効果もあり、髪の毛をなめらかにする効果もあるのでヘアリンスやヘアトリートメントなどのヘアコンディショニング剤にたくさん使われています。
静電気を防ぐ仕組み
一般的に、髪の毛の表面は「-」に帯電しています。
陽イオンの「+」が吸着しやすいので、ステアルトリモニウムクロリドを含んだヘアケア剤を軽く塗布してすすぐだけでも毛髪がなめらかになります。
実際の配合製品数や配合量の範囲は、海外の2009年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。
ステアルトリモニウムクロリドの安全性や刺激性・アレルギーについて
ステアルトリモニウムクロリドの安全性は、とくに問題はありません。
刺激も強いわけではなく、重篤なアレルギーを起こしたという報告もありません。
ただ、少量であれば問題はないですが、大量に摂取すると、アレルギーをはじめ刺激性皮膚炎などを起こす可能性があります。
眼刺激性を伴う危険な扱い方
ステアルトリモニウムクロリドを直接肌にのせて、1時間以上放置したり、20%以上高濃度配合で利用すると刺激による炎症が起こる場合があります。
特に眼に関してウサギの実験で炎症を起こした結果がでているので、誤ってヘアケア剤を目に点眼したりしないように十分注意してください。
ステアルトリモニウムクロリドはヘアケア剤以外につかわれることはほとんどないので、大丈夫と思いますが、小さい子供さんや動物がいる家庭ではいたずらに使われないように注意してください。
皮膚感作性(アレルギー性)
モルモットの実験で試してみたところ、皮膚に異常が出なかったことが報告されているので、肌へのアレルギー反応は心配がなさそうです。
まとめ
ステアルトリモニウムクロリドはヘアケア剤など髪の毛に塗る製品がほとんどで、だいたいは使ったあとにすすぎで洗い流してしまうため、皮膚への毒性や危険性はそれほど心配なないでしょう。